「生きる本大賞」とは?
『生きる本大賞』は、書店員さんたちが「生きる」に寄り添う本を選び、贈る小さな文学賞です。様々な環境で暮らす人々が、人生の中で出会うであろう困難や喜び、そういったものに寄り添い、生きる助けになるような本を手に取ってほしい、そんな温かい想いから生まれた賞なのだそうです。多様な社会の中で、誰もが抱える「生きる」というテーマに焦点を当てた賞、本当に素晴らしいと思いませんか?
対象となるのは、1年間に発売された広義のノンフィクション・エッセイで、有志の書店員さんたちが候補作を選出し、選考会を経て「一番良かった、伝えたい本」が大賞に選ばれます。
過去には、第1回で土門蘭さんの『死ぬまで生きる日記』が、第2回では小山さんノートワークショップさんの『小山さんノート』と奈倉有里さんの『文化の脱走兵』がダブル受賞をしています。これらの本も、きっと多くの読者の心に触れたことでしょう。


第3回 大賞受賞作に選ばれたのは…
そして今回、『第3回 生きる本大賞』の栄えある大賞に選ばれたのは、石田月美さん、頭木弘樹さん、鈴木大介さん、樋口直美さんの共著による『専門家なしでやってみよう! オープンダイアローグ――安全な対話のための実践ガイド』(晶文社)です。

選考委員の方々からは、「この本自体が見事なポリフォニーを体現していて、『ならば私は、どんな声を発してみる?』と世界に向かって小声でつぶやきたくなる。対話を信じる入り口に」といったコメントが寄せられています。また、「『安全な対話』のための実践の記録であると同時に、生きるための道具としての本であった」という声もあり、この本が単なる知識の提供に留まらない、深い意味を持っていることが伝わってきますね。
編集者の方も、「説得したり忠告したりすることなく、たがいの言葉に耳を澄ませ、ただ対話そのものを続けていく。その営みが、人が生きるうえでの支えになりうることを、本書は身をもって示してくれました」と語っています。専門家ではない、私たちと同じような立場の人々が、試行錯誤しながら対話の場を作っていく様子が描かれているそうです。まるで、私たち自身の日常にも応用できるヒントが隠されているような気がしませんか?
著者の皆さんは、それぞれが様々な経験をお持ちの方々です。石田月美さんは、ご自身の婚活や不妊治療の経験を綴り、頭木弘樹さんは難病との闘病生活からカフカの言葉に救われた経験を、鈴木大介さんは脳梗塞による高次脳機能障害の当事者として、樋口直美さんはレビー小体型認知症の当事者として活動されています。彼らの実体験に基づいた視点こそが、この本の説得力や温かさを生み出しているのではないでしょうか。
この本は、精神医療やメンタルケアの世界で注目される「オープンダイアローグ」という手法を、病気や困りごとを抱えた当事者だけでも安全に行えることを示しています。問題を解決することだけが目的ではなく、対話そのものが私たちに救いをもたらす可能性を教えてくれる…そんなメッセージを感じます。「議論も説得も助言もしない。ただ聞き、ただ話す」というアプローチは、私たちが普段の人間関係で忘れがちな、大切なことかもしれませんね。
ノミネート作もご紹介
大賞作品だけでなく、ノミネートされた作品も、どれも「生きる」というテーマに深く向き合った素晴らしい本ばかりです。
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『遺骨と祈り』 著者:安田菜津紀(産業編集センター)

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『悲しき虎(新潮クレスト・ブックス)』 著者:ネージュ・シンノ 訳者:飛幡祐規(新潮社)

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『言葉のトランジット』 著者:グレゴリー・ケズナジャット(講談社)

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『みえないもの』 著者:イリナ・グリゴレ(柏書房)

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『ロッコク・キッチン』 著者:川内有緒(講談社)

どの作品も、私たちの心に深く響くテーマを扱っているように感じます。あなたなら、どの本に一番興味が湧きますか?
フェア開催と開催書店募集について
『第3回 生きる本大賞』の発表後、未来屋書店をはじめとする全国の複数の書店でフェアが開催されます。
【実施店舗】
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未来屋書店 全国194店舗(フェア開催店舗:96店舗、大賞のみ展開店舗:98店舗)
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青山ブックセンター本店(東京都渋谷区)
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TOUTEN BOOKSTORE(愛知県名古屋市)
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ほんの入り口(奈良県奈良市)
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本屋イトマイ(東京都板橋区)
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もくめ書店(山梨県南都留郡道志村)

また、このフェアは全国の書店や図書館、学校図書館からの参加も募集しているそうです。選書リストや特典ペーパー、小冊子データ、販促POPデータ一式などが無償で提供されるとのこと。もしご興味のある方は、「生きる本大賞」の公式SNSのDMから問い合わせてみてはいかがでしょうか。このような取り組みが、より多くの場所で「生きる」に寄り添う本と出会うきっかけを作ってくれると、きっと良い影響があるでしょうね。
株式会社未来屋書店について
今回の『生きる本大賞』を主催する株式会社未来屋書店さんは、イオングループの一員として、書籍や雑誌の販売、文具・雑貨の販売、そしてコワーキングスペースの運営など、多岐にわたる事業を展開されています。私たちの生活に身近な場所で、文化を育む活動をされているのですね。
- 公式ホームページ: 未来屋書店 公式ホームページ
最後に
今回ご紹介した『第3回 生きる本大賞』の受賞作やノミネート作は、きっと私たち一人ひとりの「生きる」という営みに、新たな光や視点をもたらしてくれることでしょう。もしあなたが今、何か心に引っかかることや、立ち止まって考えていることがあるのなら、ぜひこれらの本を手に取ってみてください。一冊の本との出会いが、あなたの世界を少しだけ広げ、心を軽やかにしてくれるかもしれません。
それでは、また次のコラムでお会いしましょう!KENSAKUでした。




