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「好きだから来て」で後悔しないために。弁護士が教える『色恋営業』トラブルのリアル

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まずは「何に払ったお金か」を整理しましょう

返金を考える上で、まず最初に大切なのは、皆さんが支払ったお金が「何に対するものだったのか」を明確にすることです。ここを切り分けずに話を進めようとすると、なかなか解決の糸口が見つかりにくいかもしれません。

  1. 店に支払ったお金: 飲食代、指名料、ボトル代など、お店(事業者)との契約に基づいて支払ったものです。
  2. キャスト個人に渡したお金: 現金やプレゼントなど、キャスト個人に贈与したものですね。
  3. まだ支払っていないツケ(売掛金): これは「返してもらう」というより、「そもそも支払う義務があるのか」という問題になります。

1と2では、適用される法律や交渉相手が異なります。まずは、ご自身がどのような形でお金を支払ったのか、落ち着いて整理してみるのが良いでしょう。

好意を示す接客は、それだけでは違法ではありません

「好きだと言われた」「二人きりで会う約束をした」といった言葉を信じて通い続けた、という方もいらっしゃるかと思います。しかし、接客業においてお客さんに好意的な言葉をかけたり、親密な雰囲気を作ったりすること自体は、直ちに違法とされているわけではありません。提供されている飲食や接客というサービスも実際に存在しますよね。そのため、ただ「好きだと言われた」というだけでは、契約が無効になったり、支払ったお金が不当なものとして返還されたりする可能性は低いのが実情なんです。返金を求めるには、通常の営業の範囲を超えた、より具体的な事情を示す必要がある、ということを知っておいてくださいね。

返還を求める余地がある4つの法律構成

それでも、支払ったお金を取り戻せる可能性が全くないわけではありません。主に次の4つの法律構成が考えられると、弁護士は解説しています。

  1. 消費者契約法の「デート商法」に関する規定: 事業者が、皆さんが恋愛感情を抱いていることを知りながら、「契約しないと関係が破綻する」といった言葉で困惑させて契約させた場合、契約の取り消しが認められる可能性があります。ただし、この規定には「社会生活上の経験が乏しいことから」という要件があり、一定の社会経験を積んだ成人への適用はハードルが高くなる傾向があるようです。
  2. 詐欺による取り消し(民法96条1項): 交際する意思がないのに「付き合っている」と信じ込ませ、それを手段としてお金を支払わせたと証明できれば、詐欺を理由に契約を取り消し、返還を求める余地があります。しかし、当初から欺く意図があったことを立証するのは、なかなか容易ではありませんよね。
  3. 不法行為に基づく損害賠償(民法709条): 営業として許容される限度を明らかに超え、皆さんの判断を著しく歪めてお金を使わせたと評価できる場合には、不法行為として損害賠償を請求する構成も考えられます。お店やキャストの関与の度合いによって、請求相手も変わってきます。
  4. 公序良俗違反(民法90条): 契約内容そのものが社会の良識に反する場合、その契約は無効となります。しかし、この構成は必ずしも皆さんにとって有利とは限らず、既に渡したお金の返還が制限される可能性もあるため、注意が必要です。

キャスト個人へのプレゼント・現金について

キャスト個人に渡したプレゼントや現金は、通常「贈与」にあたります。一度渡してしまったものは、原則として返還を求めにくい、ということを理解しておく必要があるでしょう。気持ちで渡したもの、というのは、なかなか取り戻しにくいものなんですね。

2025年施行の改正風営法で何が変わったか

悪質なホストクラブ問題などを受け、2025年6月28日から改正風営法が施行されました。これにより、料金についての虚偽や誤解を招く説明の禁止、恋愛感情を利用して飲食をさせる行為の禁止、威迫による支払い要求の禁止などが追加されました。

ここで大切なのは、風営法はあくまで行政上の取り締まりに関する法律であり、違反があったからといって、皆さんに自動的に返金請求権が生じるわけではないという点です。もちろん、違反にあたる働きかけがあった事実は、民事上の交渉や請求において意味を持つことはありますが、「法律が変わったからすぐに返金される」という誤解は避けてほしい、とKENSAKUは思います。

それでも返金が難しいとされる理由

法的な構成があるとはいえ、実際に返金が難しいとされる理由はいくつかあります。

  • 証拠の問題: やり取りの記録が残っていなかったり、削除されていたりするケースが多いようです。「関係が破綻する」といった具体的な言葉があったかどうかが重要なポイントになります。

  • やり取りが双方向であること: 皆さんの方からも好意を示していた場合、一方的に感情を利用されたと評価しにくくなることがあります。

  • 要件のハードル: 消費者契約法の規定などは要件が細かく、通常の営業トークとの線引きが難しい場合があるようです。

  • 費用倒れ: 支払額に対して回収見込みが小さいと、手続きにかかる費用や労力が上回ってしまうことも考えられます。

なかなか一筋縄ではいかないのが現実のようです。だからこそ、冷静な判断と適切な対応が求められますね。

求め方を誤ると、立場が入れ替わることがあります

返金を求める行為自体が、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。感情的になってお店に居座ったり、「警察に言う」「ネットに晒す」といった言葉を使ったりすることは、不退去罪、威力業務妨害罪、脅迫罪、恐喝罪、名誉毀損といった罪に問われる危険性があります。また、退店後もキャストへの連絡を続けると、ストーカー規制法上の問題となる可能性もゼロではありません。

正当な請求であっても、その手段を誤ると、皆さんが責任を問われる側になってしまうこともあり得るんです。これは本当に注意が必要な点です。

返金を検討するときの進め方

もし返金を検討したいと思ったら、次のステップで進めることをお勧めします。

  • 記録を保全する: DM、LINE、レシート、カード明細、来店日など、関係する記録は削除せずに日付順で残しておきましょう。

  • 支払いを整理する: 店への支払いとキャスト個人への贈与を分けて、それぞれの金額を明確にしてください。

  • 言われた言葉を特定する: 誰が、いつ、どのような言葉で支払いを促したのかを具体的に書き出してみましょう。

  • 窓口を一本化する: 直接交渉を続けず、書面でのやり取りに切り替えることも検討してください。

  • 相談先を使う: 一人で抱え込まず、消費者ホットライン(188)、警察相談専用電話(#9110)、そして弁護士といった専門家を頼るのが賢明だと思います。

逆に「ツケを払え」と請求されている場合

もし皆さん自身がお店からツケ(売掛金)の支払いを請求されている場合は、返金とはまた別の問題として、支払う義務があるのか、その金額は妥当なのか、そして取り立ての方法は適法なのか、といった点を検討することになります。改正風営法では、支払わせる目的での威迫や、売春などによる資金調達の要求が明確に禁止されました。もし取り立ての態度に問題があると感じたら、記録を残した上で、早めに専門家へ相談してくださいね。

まとめ

「色恋営業だった」という理由だけで返金が認められるケースは、残念ながら多くないのが現実です。大切なのは、まず「店への支払い」と「キャスト個人への贈与」をしっかり区別すること。そして、消費者契約法の取り消し、詐欺による取り消し、不法行為など、いくつかの法的な構成が考えられますが、いずれも具体的な要件と確かな証拠が必要になります。

2025年に施行された改正風営法は、悪質な営業行為に対する規制を強めましたが、これは行政上の規制であり、直ちに皆さんの返金請求権を生むものではない、という点も忘れないでくださいね。そして何より、返金を求める方法を誤ると、皆さんが逆に責任を問われる側になり得る、という点には細心の注意が必要です。

弁護士法人若井綜合法律事務所では、今回ご紹介したような「恋愛感情を利用された」「営業だとは思わなかった」という相談が継続的に寄せられているとのことです。特に改正風営法施行後は、「法律が変わったので返金できますか」という問い合わせも増えているそうですが、実際には風営法違反と民事上の返金請求は別問題であり、誤解している方も少なくないようです。

もしお困りの際は、一人で悩まずに、専門家へ相談することをお勧めします。相談する勇気が、解決へとつながる第一歩になるかもしれません。

監修弁護士

若井 亮(わかい りょう)
弁護士法人若井綜合法律事務所 代表弁護士(東京弁護士会所属)
男女問題・男女トラブルに強く、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とされています。相手の脅迫的な言動にも毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために尽力されています。

問い合わせ先

弁護士法人若井綜合法律事務所
TEL: 03-5924-6845

恐喝・脅迫被害をはじめとする男女間のトラブルを数多く取り扱っており、これまでに23,000件以上の男女トラブル相談を受けてこられた実績があります。「家族や勤務先に影響が及ばないように」という点に最大限配慮しながら、内密かつ穏便な解決を最優先に対応されています。すでに個人情報を知られてしまっている場合や、要求がエスカレートしている場合も、状況に応じて被害の拡大を防ぐ手立てがあるとのことです。

全国どこからでも利用できる無料相談を、メール・電話・LINEで24時間受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。

それでは、KENSAKUでした!皆さんの日々が、より穏やかで素敵なものになりますように!

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